16personalities×MBTI
MBTIの多くが偽物!16Personalitiesと間違わないための必須知識
日本国内の曖昧診断ツールに本家も注意喚起。
MBTI診断と言いながら、実は『16Personalities』や『オリジナル診断』だったという問題が乱発している日本国内の性格診断事情を踏まえ、何故、本家MBTI診断と16Personalities、オリジナル診断と混同する人が急増しているのかを紐解きながら、その違いと用途別に適している診断を分類してお伝えします。
MBTIの多くが偽物の実態について
MBTIの多くが偽物であるのはどうしてなのかといえば、答えは明確で、『日本国内でMBTIを提供しているのは 一般社団法人 日本MBTI協会』であり、MBTIトレーニング講座、MBTI公開体験セッション、アドバンス編、ワークショップ、STEP II(Form Q)の他、企業/団体/各種機関向けに提供するインハウストレーニング講座など全て有償で提供されており、MBTIを無料診断として提供している実態は見当たりません。
では、どうしてMBTIに偽物が登場するのかといえば、その理由には下記が考えられます。
筆者は、教育研修会社で6余年を過ごし、人材紹介(転職エージェント)や性格診断サイト運営にも関わった経歴があり、WEBマーケティング分野では20年程度の経歴があり、強く多くのプロ人材を育成しています。
その実績からいいますと、MBTIやMBTIや診断、そのモデルには『自分に悩んでいる人を集客できる』潜在的な力があります。(意図:検索キーワードのニーズとなる月間検索回数が多い)
つまり、MBTIという文言と関連する文言を検索している人を集客すれば、人材紹介/恋愛(婚活・お見合い)/出会い系などの分野に興味関心がある人を集客することが容易となるため、簡易的な診断ツールを開発して、それとなくMBTIの診断モデルをちらつかせることで信じさせるという卑劣な集客行為が横行している訳です。
その最たる例が『16Personalitiesとの混同』を引き起こさせる意図的なPRです。
16Personalitiesと間違わないための必須知識
16PersonalitiesとMBTIを間違わないための必須知識として、ぐうの音も出ない根拠として、16Personalities公式サイト上ではMBTIを共同開発したとは言っていないということが明確であるという根拠を示します。
16Personalities.comにMBTIの文字は1ページのみ!
私たちの国である日本国内でMBTIを管理している公式な法人『一般社団法人 日本MBTI協会』が問題提起している、最も間違われている性格診断は、16Personalitiesですが、そのドメイン配下にあるページの中から検索エンジンGoogleが把握している「MBTI」の記述があるページは1ページのみで、そのページ内には衝撃の事実がふんわり分かりにくく英文で掲載されていました。普通は、ここまで調べないでしょうが、自己理解のための診断と、エンタメ性や適職発見の補助ツールでは性質が全く違うので真相を解明しておきます。
本家MBTI診断と16Personalitiesは同じではない!の根拠
本家MBTI診断と16Personalitiesの違いについて、意に反して、第三者による引用や都合の良い解釈により同じであると勘違いされている両者が同じではないことを裏付ける根拠ともなる、16Personalities公式サイト内の英文と翻訳結果を紹介します。
In the 1920s, Jung’s theory was noticed by Katharine Cook Briggs, who later co-authored a personality indicator still used today, the Myers-Briggs Type Indicator® (MBTI®). Briggs was a teacher with an avid interest in personality typing, having developed her own type theory before learning of Jung’s writings. Together with her daughter, Isabel Briggs Myers, they developed a convenient way to describe the order of each person’s Jungian preferences – this is how four-letter acronyms were born.
Of course, this is just a very simplified description of the Myers-Briggs theory. Readers interested in learning more should read Gifts Differing: Understanding Personality Type by Isabel Briggs Myers. As we define personality traits and types differently in our model, we will not go deeper into Jungian concepts or related theories in this article.
https://www.16personalities.com/articles/our-theory
上記の英文の翻訳結果を参照してみましょう。
1920 年代に、ユングの理論はキャサリン クック ブリッグスによって注目され、後に今日でも使用されている性格指標であるマイヤーズブリッグス タイプ インジケーター(MBTI ® )を共著しました。ブリッグスは性格タイピングに熱心な関心を持つ教師で、ユングの著作を知る前に独自のタイプ理論を開発していました。彼女の娘のイザベル・ブリッグス・マイヤーズと一緒に、彼らは各人のユング派の好みの順序を説明する便利な方法を開発しました。これが 4 文字の頭字語が生まれた方法です。
もちろん、これはマイヤーズ・ブリッグス理論を非常に単純化して説明したものにすぎません。さらに詳しく知りたい読者は、イザベル・ブリッグス・マイヤーズ著『ギフトの違い: 性格タイプの理解』を読んでください。私たちのモデルでは性格特性とタイプを異なる方法で定義しているため、この記事ではユングの概念や関連する理論については深く掘り下げません。
このように、ユング理論について共著した2人が、異なる考え方から生み出した性格診断を軸とした結果が、MBTIと16Personalities(NERIS Type Explorer®)なのです。
それぞれの目的は、MBTIがライフワークを経て変化を続ける自分を自己分析することで、生きやすくするために必要な考え方や行いと説いているのに対して、職場環境に至るまでを診断結果として示すのが16Personalitiesです。
ここで重要なこととして、16Personalitiesには『NERIS Type Explorer®』という診断ロジックがあるという点で、このことは、先程引用した16Personalities公式サイトのページ上でも記述があるため、MBTIとは別の考え方を用いていることが見て取れます。
16Personalitiesを調べていたり、MBTIについてを調べているだけでは、NERIS Type Explorer®に辿り着く前に、しびれを切らして検索結果の上位にあるサイトの情報を手放しに信じてしまうのが常です。
両者ともユングの理論がベースですが、用途に合わせて進化を遂げた性格診断モデルであるので、MBTIと16Personalitiesは本質的に目指している目的が異なることから、それらの「曖昧さ」を利用した人間が見境なく立ち上げたサイトの偽情報は、キャリア形成の軸づくりをする上では逆に邪魔になる可能性があるのです。
フレームワークが解れば曖昧でもOK?
性格診断の盲点として、フレームワークが解れば、大凡、それらしい診断結果を模して表示するツールを開発することが可能なので、資金的余裕がある人材紹介会社、恋愛や出会いに関連する企業、傾向を利用して曖昧情報を提供するサイト(アフィリエイター)はクレーゾーンで人々に勘違いをさせながら、ユーザーを思考停止状態にして、ごもっともな診断結果を提供しています。
フレームワークというのは、「型(かた)」のことで、一般的な言葉としてはテンプレートが軽く理解しやすい適切な言葉だと言えます。
クレペリン検査やSPIなどの性格特性が絡む診断ツールを利用したことのある人は多いでしょうが、それらの全ての設問に回答するためには、20分~30分程度を要するのが通常です。
しかし、MBTIの名称を利用している簡易診断ツールの場合、数分で完了してしまい、多くの人に当てはまるように仕立て上げられた『診断モデル+解説』が表示されます。
特に適職診断ツールの場合、開発・サービス提供元が人材紹介事業者と密接な結び付きをもっていることがあり、MBTI、16Personalities、ユングといった固有名称をちらつかせたりしながら、言葉巧みに本物の診断であるような誤解を招く情報で信頼させ、求職者の個人情報を欲しがっている人材紹介事業者のウェブサイトに誘導しているという実態があります。
性格診断は様々な場面で活用できますが、職業の適性を見極める用途、恋愛といった人生を左右する決断をするための自己理解のために使うことが多いので、フレームワークが解っていれば曖昧な診断結果を出していいということではないですし、何よりそれを鵜呑みにして行動するべきではありません。
まとめ
結論、MBTIを語る診断ツールには注意が必要です。このことは、日本国内でMBTIの監理団体となっている「一般社団法人 日本MBTI協会」の公式サイト上も注意喚起が行われています。
一方、「16Personalitiesは問題ないの?」という不安に駆られるかも知れませんが、16Personalities自体は独自の進化を遂げた性格診断であり、職業選択の参考になる情報提供がなされていて非常に優れた無料診断ツールであると言えます。
性格診断は、心理学が深く絡む領域なので、経験が無い人にとっては「どれも似ているのは?」と思いがちで、ウェブサイトを確認して良さそうなら使い、まあまあ信頼できそうなら信じて自分の性格モデルを決めてしまいます。
自分の性格について、正しく理解しない状態で、求職活動や恋愛に活用するのではなく、まずは自分自身の目的に合う、診断ツールを活用することをお勧めします。